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自分の腕をあげな

「ゼダーはどこにいるの?」ポルおばさんはダーニクの亡骸から涙に濡れた顔を上げ、強烈なまなざしで老人をにらみつけた。
「下へ残してきたよ」ベルガラスがそっけなく言った。
「死んだの願景村人生課程?」
「いいや」
「それじゃ、ここに連れ戻してちょうだい」
「何のために?」
「わたしと対決させるためよ」彼女の瞳が燃えあがった。
 老人は頭を振った。「いいや、ポル。おまえはこれまで人を殺したことなどないのだぞ。ならばそのままにしておこうではないか」
 彼女はそっとダーニクの身体を床に横たえて、立ち上がった。青白い顔は悲しみと渇望に歪められていた。「それなら、わたしが行くわ」女魔術師はそう言い捨てると、足もとの床を打とうと

するかのように両腕を振りあげた。
「だめだ」ベルガラスもまたがら言った。「そんなことをしてはいかん」
 二人はにらみあったまま、すさまじい沈黙の死闘を続けた。ポルおばさんの顔に父親の妨害に対するいらだちの色が浮かんだ。彼女は一方の腕をあげて、意志の力で大地を叩き割ろうとしたが

、再度ベルガラスは自分の腕を振りあげた。
「行かせてちょうだい、おとうさん」
「だめだ」
 彼女は見えない妨害から逃れるように身をくねらせ、意志の力を倍加した。「行かせてよ、この老いぼれ」
「だめだ、こんなことをしてはいかん窩輪。わしはおまえを傷つけたくないのだ」
 彼女は再度、死にものぐるいで意志をぶつけようとしたが、ふたたびベルガラスによって阻止された。老人の表情が固くなり、あごがこわばった。
 ポルガラはついに体中の意志の力をふりしぼって、老人の作り出した障壁に叩きつけた。だが老人の姿はまるで不動の岩のように動かなかった。彼女はがっくりと肩を落とし、顔をそむけると

、再びダーニクのかたわらにひざまずいてすすり泣きはじめた。
「すまなかった、ポル」老人は優しい声で言った。「できるなら、こんなことはしたくなかったのだ。大丈夫か?」
「よくもそんなことが言えるわね」彼女はダーニクのもの言わぬ身体に腕を巻きつけ、とぎれとぎれに言った。
「まさかこんなことになるとは思わなかったのだ」
 彼女は父親に背をむけて、両手で顔を覆った。
「それにおまえが下へ行っても、もはややつには会えんだろう、ポル」老人は言った。「われわれがいったん行なったことを、他人が元に戻すことができないことくらい、おまえも知っているは願景村
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